消費者金融に就職するのは大変か?業務内容や年収はどれくらい?

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消費者金融というと、あまりよくないイメージを持つ人もいるでしょう。

しかし、消費者金融の経営が成り立っているのは、お金を借りることで助かる人がたくさんいる証でもあります。

また、消費者金融で働く人がいなければ、そもそも企業としての活動ができません。

消費者金融の就職事情はどのようなものなのでしょうか。

そこで、この記事では「消費者金融に就職するのは大変かどうか」や消費者金融で働く際の「業務内容や年収」について調べてみました。

消費者金融の社会的なイメージと変遷

消費者金融の歴史

消費者金融の社会的なイメージはお世辞にもあまり良いとはいえないでしょう。

その主たる原因は過去において、「金利が高いうえに取り立てが厳しい時代があった」からにほかなりません。

日本で個人向けの消費者金融が誕生したのは、あの「世界恐慌」が起こった1929年だといわれています。

それが「日本昼夜銀行」です。

現在では消費者金融の利用は全国どこからでも可能ですが、日本昼夜銀行の貸し出し条件は「東京近郊および近接所在の官庁(相当する企業含む)に2年以上勤務している」という具合に、地域限定のものでした。

また、「対象年齢は25歳以上」であり、「結婚していることも条件として付けくわえられています。

現代の感覚から考えると、あまり考えられないような条件が付けられていたのです。

その後、第二次世界大戦が始まると一時的に個人向けの融資は行われなくなりますが、1950年代になって復活します。

1950年代に始まった個人向けの融資はサラリーマンをターゲットとしており、多くの人が利用するようになっていきます。

それに伴って世間的な名称も時代に合わせて変遷していき、1960年代は「団地金融(利用者は団地に住んでいる人が多かったから)」、1970年代には「サラリーマン金融(通称サラ金)」と呼ばれていました。

また、消費者金融の事務所が繁華街や駅などの街中にあるケースが多かったので、「街金」という呼び方をされることもありました。

消費者金融という呼称が定着していったのは、女性や自営業者の利用が増えていく、1980年代になってからです。

貸金業法の改正によって各社はイメージアップを図らなければいけなくなった

過去において借金は恥だと考える人も多かったのですが、徐々にそうした意識も薄れていき、1970年代あたりになると消費者金融の利用者数が徐々に増加します。

しかし、昔の消費者金融の金利はとても高く、借金を返済できない人の自殺が社会問題化したのです。

消費者金融のイメージが悪化するのもこの年代からで、高利貸しによる強引な貸付や厳しい取り立てによって追い込まれる人が数多くいました。

こうした問題を背景として2006年に「貸金業法」が改正され、個人が支払う年利は最大で20%に制限されたのです。

貸金業法の改正によって金利が明確に規定されたことで、業者は不当な金利による取り立てができなくなりました。

また、上限金利が明確に定められたことで消費者金融として利益をだすためには、より多くの人に利用してもらわなければいけなくなったのです。

そのため、消費者金融各社は過去の悪いイメージを払拭するために、取り立て方法についても改善を行っています。

消費者金融で働くために求められることは?

消費者金融で働くために必要な条件

消費者金融の就職条件は各会社によって異なります。

たとえば、「ブラックリストに載っていない」「消費者金融から借入をしていない」といった条件を出している会社もあるのです。

このような条件を掲げることで、消費者金融で働くことを悪用しようとする人を排除する目的があります。

また、この条件は本人のみならず、家族に対しても適用されるので気を付けましょう。

消費者金融で働くために求められること

さらに、消費者金融で働くために、もっとも必要とされることは「精神的な強さ」です。

直接現場に行って督促する業務がない人でも、電話での督促を行うことはあります。

ほとんどのケースでは丁寧語を使ってやりとりが成立しますが、ごくまれにケンカ口調になってしまうケースはどうしてもあるのです。

ひどいケースでは「家に火をつけてやる」などの暴言を吐かれてしまうこともあるので、そのようなことを苦にしない精神的な強さは必要だといえます。

就職に必要な資格や経験について

学歴や経験は基本的に問われない

消費者金融で働く条件のなかで、学歴や経験は問われないケースが多いです。

確かに、経験年数によって基本給が上がるケースはありますが、入社にあたって学歴や経験が問題になることはほとんどありません。

それどころか、未経験で入れる会社も実際にたくさんあります。

また、資格についても必要なものは基本的にありません。

ただし、「貸金業務取扱主任者」だけは別です。

平成22年に施行された4条によって、消費者金融は営業所又は事務所ごとに貸金業務取扱主任者を法令で定める数、置かなければいけないこととなっています。

貸金業務取扱主任者とは

貸金業務取扱主任者とは「貸金業の業務を適正に実施するための助言又は指導を行うこと」を目的として創設された資格です。

消費者金融側は「貸金業務取扱主任者の助言を尊重し、指導に従わなければならない」とされています。

ここでのポイントは、法律で定める数だけ貸金業務取扱主任者を置かなければいけないとされている点です。

資格を持っている人は就職活動においてきっと有利になることでしょう。

消費者金融の給料や年収はどれくらいか

消費者金融で働く人の年収について

職種によってもさまざまですが、消費者金融で働く人の年収は大体600万円前後だといわれています。

サラリーマン全体の平均年収が400万円~450万円だといわれていますので、比較的高い部類に入っているといえるでしょう。

年齢によっても年収は異なりますが、悪くない数字だといえます。

ただし、2006年に貸金業法が改正される前と後では年収に下がるといわれています。

貸金業法によって消費者にとってはさまざまなメリットがありましたが、消費者金融側の経営には確実にダメージがあったのです。

実際に貸金業法が改正される前の2000年ごろの消費者金融に勤めている人の平均年収は700万円だといわれています。

貸金業法の改正前後で、およそ100万円も年収が下がっているのです。

消費者金融は安定した業種!?

年収が下がっているというとマイナスイメージを受ける人も多いでしょう。

ただし、消費者金融という業種事態は意外と安定していると考えられます。

景気が良いときは「お金を使っても大丈夫という安心感」から借入をする人がもちろん増えます。

しかし、景気が悪いときでも「生活費に困る人が増える」ということで、それなりに借入をする人がいるからです。

景気が良いときでも悪いときでも安定した収入が見込めるというのは、消費者金融で働く人のメリットだといえます。

消費者金融の1日の業務内容とは?

消費者金融の事務について

消費者金融の1日は会社によっても異なりますが、大体の場合午前8時または午前9時から始まります。

基本的には朝の朝礼に始まり、まずは顧客情報の管理(住所や連絡先のパソコン入力など)や借入申込内容のチェックや審査、銀行振り込みなどの融資の手配を行います。

このような事務仕事をしている最中も新規の融資申し込みや返済についての問い合わせなどの電話がなっていますので、お昼などの時間は特に忙しいです。

職種によっては直接債務者と話し合うことも

また、返済が遅れている人については電話や郵便物での督促も他の業務と並行しておこなわなければいけません。

返済が遅れている人の対応は基本的に電話ですませますが、状況によっては自宅などを訪問して債務者と話し合う必要があります。

会社によっては、女性従業員は女性の債務者だけしか訪問させないというような安全対策をとっていますので、就職活動をするのであれば、そのような情報も集めておくとよいでしょう。

さらに、状況によっては1日の業務の合間に、チラシやティッシュ配りをして自社のアピールをすることもあります。

取り立ては実際にはどのように行う?

現代の消費者金融の取り立て事情は?

取り立てというと、債務者の自宅に押し入って無理やり行うイメージを持っている人もいるかもしれませんが、貸金業法によって規制されているためそのような方法で行うことは実際にはありません。

脅迫に繋がるような言葉を使ってしまうと、違法になるので基本的には丁寧語で接します。

また、貸金業法施行規則第19条では「午後9時~午前8時までの時間は取り立てをしてはいけない」となっています。

この規則に曜日の指定はないため、土・日でも午前8時~午後9時までなら取り立てを行う会社もありますが、大手の消費者金融ほどそうしたケースは少ないです。

そのため、取り立ては基本的には「平日の昼間に穏便に対応する」ことになります。

すぐに返済してくれないケースの対応について

とはいっても、督促をしてすぐに返済してくれる債務者であればそもそも遅延はしません。

そのため、実際に行う業務としては電話や利用者の家を訪問して経済状況を聞き取って返済計画を立てるだけになることが多いです。

細かいやりかたは消費者金融によって異なりますが、とにかく最低でも「返します」という一言だけは債務者に言わせるようにしている会社もあります。

貸金業法によって変わりつつあるイメージ

消費者金融は世間的なイメージアップを図っている

2006年の貸金業法改正までは、かなりの高金利で貸し出しをしている消費者金融も多くいました。

しかし、貸金業法の改正によって金利の上限額や、取り立てについても具体的な制限が決められてしまいました。

厳しい取り立てができなくなってきたことによって社会的なイメージや働きかたは少しずつですが、よくなっています。

また、複数の弁護士事務所や税理士事務所で過払い金返還請求が起こっていることも消費者金融には大きなダメージです。

少しでも利益を得るための方法として、消費者金融では社会貢献などを通じてイメージアップを図る戦略に舵を切っています。

企業イメージが良くなれば利用者数が増えて、1人あたりの金利収入の減少を補えるからです。

大手銀行のカードローンは実は消費者金融が関係している!?

消費者金融のなかには単体の会社としてはやっていけないと判断して、銀行の傘下に入ったところもあります。

たとえば、三菱東京UFJ銀行のカードローンはアコムなどが主に対応しています。

消費者金融と聞くよりも大手銀行のカードローンのほうが良いイメージを抱く人が多いでしょう。

このように、貸金業法の改正によって消費者金融の生き残り戦略は変わってきているのです。

女性向けのサービスに向けた社員の増加

消費者金融の仕事内容はもともと事務が多い

1970年代のようにサラ金と呼ばれていた当時の利用者の大半は男性でしたが、現在では女性の利用者数も増加しています。

消費者金融にはもともと顧客管理などの事務職の仕事が多いことや女性の利用者が増加することで、消費者金融における女性社員の需要は大幅に高まっているのです。

また、現地へ督促に行くのは基本的によほどひどい滞納者に対してだけです。

ほとんどの督促業務は電話でのやりとりになりますので、女性でも安心して行えます。

実際に事務職の女性社員が電話で督促を行うケースはたくさんあるのです。

消費者金融業界は女性が活躍しやすい

女性社員の増加に拍車がかかっている理由には、そのほかにも「女性専用カードローン」などの、女性専用サービスが増えたことも影響しています。

このようなサービスの対応者は必然的に女性になることが多いので、各消費者金融は女性社員の採用に力をいれています。

消費者金融業界に限っては、特に女性が活躍しやすい状況になっているといえるでしょう。

消費者金融に就職する方法とは?

求人情報から条件にあう会社を選ぼう!

消費者金融に就職する方法に特別なものはありません。

求人情報にはさまざまな消費者金融の募集が載っていますので、自分の条件に合ったものを選ぶようにしましょう。

消費者金融の求人は学歴や経験の有無は問われないケースが多いので、中途採用も積極的に行っているケースがあります。

ただし、会社によっては「35歳以下まで」のように年齢制限のある場合もあるので、確認してから応募するようにしましょう。

会社説明会はできるだけ参加したほうがよい

また、消費者金融では新卒での募集も積極的に行っている会社が多いです。

新卒での募集に関しては大抵の場合、会社説明会などを行っています。

イメージしていた業務と入社後の実際の業務が違っていると後悔してしまうので、できるだけ会社説明会などに参加したうえで選ぶと良いです。

金融業界ということに変わりはない

消費者金融というと、かつての「サラ金」というイメージをいまだに持っている人が多いのは事実です。

しかし、貸金業法の改善によって以前のような取り立てや高金利での貸し出しができなくなったため、消費者金融側もイメージの改善に乗り出していることも間違いありません。

それに伴って働く環境も徐々にではありますが、よくなってきています。

また、消費者金融によっては大手銀行の傘下に入っているなど、金融業界全体を一括りにして考えれば、消費者金融はクレジットカード会社や銀行となんら変わりはありません。

景気に左右されない点や、年収が一般的なサラリーマンと比べても比較的高いという点を考えると就職先の選択肢に入れておいて損はないでしょう。

精神的な強さがあると自負している人は求人を調べてみてはいかがでしょうか。